今週のお題「クリスマス」
ク~リス~マ~ス~が脅し~を~か~け~て~く~る~♬
悲しっかったっ、出来事にっ、拍車をか~け~る~♬
やめてくれ、その歌は俺に効く(何かが砕け散って崩れ去る音)
これは、私の大学時代のサークルでの思い出話。
大学のサークルの先輩がクリスマスになるとよく上記の替え歌を歌っていた。サークル(アニメーション研究会)の民に大ダメージを与える滅びの歌だ。なお歌っている本人にもダメージが入る模様。
サークルがサークルだったので、メンバーはほとんどが日陰者や奇人変人の類ばかりであった。そのため、こうした行事にはリアルでは無縁なのだが、むしろソシャゲ内のそういうイベントで盛り上がる辺り、まごうことなきオタクの烏合の衆だったと言えよう。
気になる異性とどこかへ出かけて「わ~綺麗だね~///」「お前のほうがもっと綺麗だよ…///」などと、クリスマスケーキよりも甘ったるいものを味わうことも無い。ましてや、「これがホワイトクリスマスだよ💕」と言わんばかりにベッドでふわふわな甘い夢を見て性なる夜🎄聖なる夜を迎えるなんていうことも無い。
オタクはソシャゲのクリスマス限定イベントを走るのに必死なのだ。
アイドルをプロデュースしている奴、人理修復している奴、審神者をしている奴、提督に着任している奴、花騎士している奴、グラブっている奴、陰陽師している奴・・・
皆が皆、それぞれの世界のクリスマスを楽しんでいる…もとい限定ユニットやアイテムなどをさっさと入手するために、効率を求めてイベント高難度を周回しまっくって誰かが「あ~つらいよ~あびゃああああああああ」とゲロ吐いていたり発狂しているのを横で聞き流すのが風物詩であった。まさしく戦々恐々、死屍累々、カオスそのもの。
むしろイベントを周回する時間を確保するために、リアルの特別なイベントを避けたり断ったりしている節もあったのではないか?と邪推をしたが、よくよく考えなくてもそんなことはなかった。みんなクリぼっちだったから。
しかし、サークルでそんなくだらない光景が繰り広げている中にいたのが断然楽しかった。クリぼっちなのをみんなで嫌味ったらしくいじり合うでもなく、クリスマスはクソだと呪詛を吐いて僻むわけでもなく、ただただ自分が好きなことでバカをやっていた。その時間が尊かったのだと思う。
現実世界では寂しいことになっているけれども、ゲームの世界でクリスマスを楽しむ。私が接したのはそういう人間たちであり、そんな私ももちろん同じ人種に属する。
オタクはオタクで、クリスマスを楽しんでいたし、クリスマスが楽しかった。