時に私は、「人の役に立ったところでなんにもならない」と思うことがある。別に誰かの役に立っている全ての人を批判するわけではない。
人の役に立ったところで、私は何になるというのか。便利に利用されるだけされる「都合のいい人」になるのだろうか。
感謝だけされたところで、飯は食っていけない。せいぜい、ちょっとした自己承認感が満たされるだけだ。感謝よりも金が欲しい。
どうして私がそう思うようになったかって?知らないよ。むしろ私が知りたいくらいだ。
思い当たることと言えば、人間が嫌いで根本から信用していないからだろうか?とすれば、一応の筋は通りそうな気もするが。
…あ、もう一つ思い当たることがあった。ずーっと人の言うことを聞いて生きていたからだ。恐らくこれが原因で「人の役に立ったところで、自分の身を削って自ら滅びるだけだ」という思いへと極端に反発しているのかもしれない。そんな気がする。
いずれにしても、誰にも信用を置けずに孤独に生きる人間の、なんと淋しきものよ。これが、人間という社会的動物に生まれてしまったが故の不幸なのだろうか。
———人の役に立ったところで、何になるのだろう。
そうして今日も私の心に、陰りができる。