どうしようもないくらい、生きていたくなくなるときがある。その思いが訪れるタイミングは、今のところはまだよくわからない。
こうなると、何もしたくなくなる。全てがどうでもよくなる。何も考えたくなくなる。
食事も、身支度も、何もかもがやる気にならなくなる。何をするにもだるくて、とにかく体を動かしたくなくなる。今日の予定とか、もうそんなものはどうでもよくなって、考えられなくなる。ともすれば、息をすることですら面倒にもなる。
でも、死のうと思って呼吸を止めたら苦しくなる。苦しいのは嫌だから、結局息をする。止め続けられない。
「だったら他の方法で死んでみる?」
でも首をくくるのは、ひもとかロープとか縛ってどこかにかけないといけないから、そんなことをするのは面倒。苦しいのも嫌。
「じゃあ刃物は?」…痛いのはもっと嫌だよ。
「海や川に入るのは?飛び降りるのは?」…そもそも出かけるのが面倒だよ。億劫だよ。そんな気が起きない。
「薬は?」…最近の薬は死ねないようにできているから、やっても無駄に苦しむだけ。仮にあったとしても、そんなものを手に入れるための手間が面倒。
「・・・なんだよ、それじゃあ何をどうしたって死ぬことができないじゃないか。弱虫め。臆病者め。面倒臭がりめ。怠け者め。死ねないならそのまま生きていろ。雑魚が。」
…心の中の、もう一人の私がそんなことを言ってくるようだった。
今こうして生きているのは、「生きていたい」という積極的な思いからではない。ただ単に「死ねない」から生きているだけ、そんな消極的な理由だ。
何かの拍子で一線を越えることがあれば、そのときにこの命は自らの手で終わらせることができるのだろうか?
…それとも、弱虫で臆病者で面倒臭がりで怠け者の雑魚であり続けるのだろうか?
今日も無気力に、一日を生き、一日が過ぎ去る。この命に、後悔を抱えて。死ねずに生きることに、絶望を抱えて。