投資と人生の夢うつつ

元ニート、フリーター、現IT派遣の20代半ばの人間による、投資や生活、その他雑多な話題を書くブログです。

スーパーのお肉屋さんで働いていた元店員は、いいお肉を提供するために裏で奮闘していた。

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今週のお題「いい肉」ということで、スーパーでお肉屋さんをしていた元店員が、スーパーでいいお肉をお客さんに販売するまでに、裏で色々と苦労をしたお話をします。

 

え?そんなことより、いい肉とそうでない肉の見分け方を教えろって?

 

…もしかして、そういうのを期待されちゃったりします?けど残念ながら、ここではそういう話はありません。商品づくりの裏話をするということが趣旨だって、タイトルで分かりきっていましたでしょ?

 

でもせっかく来たのですから、裏でどんなことをやっているかを覗いてみるのも悪くないんじゃないですか?

 

 

 

 

溶けてしまう!

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皆さん、和牛は好きですか?

 

やはりお肉と言ったら、みんな大好き王道の和牛ですよね。和牛を食べているとき、その美味しさで幸せに満ち溢れますよね。

 

真っ白な脂、お肉に綺麗に入っているサシ。想像するだけで食欲がそそられます…🤤

 

仕事で和牛を試食したことがありますが、お肉が口の中でとろけていくのが感じられて、これが本当に美味しい💖お肉屋さんの特権って素晴らしい🎵

 

 

しかーし!お肉屋さんはそんないい思いだけをしているわけではありません! 

 

 

とろけるような極上のお肉を、高い品質のままお客さんにお届けするまでには、大変な苦労があるのです…。

 

といいますのも、和牛は常温で脂が溶けてしまうのです。

 

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加工や包装に時間をかけすぎてしまうと、せっかく乗った脂が溶けてしまって品質が落ちてしまいます。そうなると、残念な品質の和牛をお客さんにお届けすることになってしまいます。せっかくの和牛なのに、食べたらなんか微妙…なんてことになるのは嫌ですよね。

 

ですから、和牛を扱うときは毎回時間との勝負になります。

 

私がいたお店では、結構オシャレそうなパックに和牛が詰められていまして、そのパックは手でないと包装できないものだったわけですね。で、その包装をするのが私の仕事だったわけですが、慣れていないうちは本当に上手く巻けませんでした。

 

包装が緩すぎてしわが出来て全然綺麗にできなかったり、力加減が分からず何度もラップを破いてしまったり、表面は上手く巻けたと思ったら裏がスカスカで巻けてなかったり、「溶けちゃう!溶けちゃう!」と先輩から急かされて焦って余計に上手くできなかったり…。

 

とにかく大変な思いをしましたが、慣れればミスすることが大幅に少なくなって別にどうってこともなくなりました。

 

皆さんの食卓に極上な和牛を提供するために、裏ではこうした奮闘が日々なされているのです。

 

 

綺麗に並べろ!

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皆さんは、どういったお肉が美味しそうだと思いますか?

 

適度に脂がありつつ鮮やかな赤味が綺麗に見えているもの、サシが綺麗に入っているものって、美味しそうじゃありませんか?そういうお肉を、ついつい買ってしまいたくなりませんか?

 

逆に、白い脂身ばかりが見えるお肉って、あんまり美味しそうに見えませんよね?

 

実はお肉をパックに詰めるときも、お肉屋さんは奮闘しているのです。

 

豚肉や牛肉を加工するとき、スライサーという機械にかけて一気に切るのですが、このときに教わったのが「スライスしたお肉は綺麗に並べること」でした。

 

例えば、白い脂の部分ばかりが見えないよう上手いこと重ねて見栄えが良くなるように並べたりとか、お肉に入っている綺麗な模様(サシといいます)を出来るだけ見せるように並べたり、ということを意識するのです。

 

ただし、あまり丁寧にやりすぎて時間をかけても作業が遅くなってしまいます。先ほど述べた和牛だけでなく、それ以外のお肉もあまり時間をかけすぎると鮮度が落ちてしまいます。それに、最終的には食べられてなくなるものですので、こだわりすぎもよろしくないのです。

ここで少しこそこそ話です。味付けされたお肉ってありますでしょう?タレが既にかけられているやつですね。ああいうものって、色や臭いが悪いものを誤魔化すためにかけられていることもあるんですよ。ということは…?ふふ。そういうことかもしれませんよ?

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私も最初は丁寧に並べることばかりに気を取られてしまいました。スライサーの扱いにも慣れていなかったことも相まって、テンポよく商品づくりができませんでした。「新幹線で九州まで行っちゃったね」と、ベテラン社員のおじさんからよくジョークを言われたものです。

 

慣れてきて勝手がわかるようになってからは、作業のテンポを保ちつつもお肉を綺麗に並べられるようになりました。

 

ちなみに、スライサーってとっても怖い機械でして、円状の刃を回転させることでお肉を切るのですが、ここに誤って指を突っ込もうものならケジメされます。

 

固いお肉でもスパスパ切れるくらい、切れ味抜群ですから取り扱い要注意なわけです。分解して掃除するときも、刃に気を付けて掃除するようにと何度も念を押されました。

 

綺麗に並べる努力だけではなく、とっても危険な機械を操作しているという裏側でした。

 

 

潰すな!よれるな!

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皆さんは、どういう挽肉が美味しそうに見えますか?

 

ちょっと盛り上がっててボリュームがありそうな挽肉や、綺麗にまっすぐになっている挽肉とか美味しそうじゃありませんか?

 

そうした美味しそうな挽肉をつくるのにも、苦労が隠されているのです。

 

挽肉を作るときは、チョッパーという機械にかけてお肉を挽くのですが、刃を機械に装着するときにまっすぐできつく締めておかないと、挽肉が綺麗にまっすぐにできないのです。

 

で、きつく締めるのには結構な力が必要になるわけです。当然きつく締めたものを外すのにも相応の力が必要です。強い力をこめると、手に負担がかかってこれが痛いわけです。私は「ああ手が痛いよ~」と毎度思いながらチョッパーのセットをしていました。

 

さらに、綺麗にまっすぐにセットしないと挽肉がよれて綺麗に挽けないので、「あれ?挽いたけどまっすぐ綺麗にできてなくない?」と思ったらセットし直しです。先述のこともあるので、まあまあ手間です。

 

こうしないと、特に鳥の挽肉はグズグズになってしまいますから、見た目がよろしくないということで皆さんあまり買ってくださらないわけです。

 

これがまず一つ大変なのです。

 

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さらに、挽肉をトレーに盛り付けるときに一度挽肉を切るのですが、潰すように切ってしまうとその部分が潰れて、全体の見た目のバランスが悪くなってしまうのです。

 

そういうことを考えずに指で輪っかを作って切るというやり方をしていたら、潰れてしまうから良くないということで「持ち上げて切る」ということを教わりました。

 

 

ああああああ!!クソ細けえええええええ!!!そんなこと一々やってられねええええええ!!!!

 

 

正直、売れているならどうでも良くない?という感じでした。しかし綺麗に挽かないと売れ残って値引きコース直行で売り上げに響き、巡り巡って自分の首が絞まることになるのです。

 

ですので、多少見た目が汚かったりボリューミーじゃなくても、お肉屋さんは頑張っていますよということを、知ってもらいたいなと思います。

 

以上、いいお肉のために頑張るお肉屋さんの裏側でした。

 

P.S.実は裏話を一つ仕込んでいます。気が付きましたか?よーく見れば怪しそうなところがありますよ🎶